■はじめに ~ブレた映像と止まった映像~
動いているものを撮影したとき、流れたりぶれたりしている映像になることがあります。
(モーションブラーとも呼ばれます。)
例として扇風機の羽根が高速回転している様子を静止画撮影してみました。どちらも同じ回転速度です。
羽根の動きが流れている写真 羽根の動きがピタッと止まった写真
右のようにピタッと止まった映像を撮影するには‘シャッタースピード’を調整する必要があります。
■シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いてセンサーが光を受光する時間を指します。通常1/1000秒のような分数で表され、1秒よりも短い時間を示します。
・シャッタースピードが速い(短い)とシャッターが開いている時間が短くなり、
・シャッタースピードが遅い(長い)とシャッターが開いている時間が長くなります。
シャッタースピードが遅いとシャッターが開いている間に被写体が動いているとブレた映像になってしまいます。
シャッタースピードを速くすることでピタッととまった映像を得ることができます。
■シャッタースピードを速くした場合の注意点
シャッタースピードを速くすると光を取り込む時間が短くなるため映像が暗くなります。
そのため、
・照明を明るくする
・レンズの絞りを解放する
・カメラ設定のゲイン値を大きくする
などを行い、映像を明るくする必要があります。
シャッタースピードのみを変えた映像
シャッタースピード1/100 1/1000(映像が暗くなります。)
シャッタースピードを変え、明るさを調整した映像
1/30 1/100
1/1000 1/10000
■動画撮影の場合
フレームレート(1秒間のコマ数)は映像のなめらかさに大きくかかわります。
フレームレート値を大きくすればなめらかな映像となり、小さくすればカクついた映像となります。
ただし、フレームレートを大きくするだけでは‘なめらかなブレた映像’になってしまいます。
ブレない映像を撮影するにはやはりシャッタースピードを上げることが必要です。
シャッタースピードを変えながらハイスピードカメラで1000fpsの動画(使用機材:CHU30-B-RS)を撮影しました。
シャッタースピード
1/1000(=open) 1/5000 1/20000
シャッタースピードを速くすることで動画でも1コマ1コマがブレずに止まった映像を得られます。
■シャッタースピードと露光時間の関係
露光時間(exposure time)はシャッターが開いている時間のことなのでシャッタースピードと同じ意味です。シャッタースピードの単位が秒なのに対し、露光時間の単位はミリ秒やマイクロ秒であることが多いです。
カメラやアプリケーションの中にはシャッタースピードの設定項目がないものもあります。
露光時間やexposure time といった設定項目がないか確認してください。
■まとめ
シャッタースピードは、映像のぶれを制御する重要な要素です。
動いている被写体をピタッと止まった映像にするにシャッタースピードを速くすることが必要です。
被写体の動きの速さに応じてシャッタースピードを調整し、必要に応じて明るさや絞り値を調整することで、理想的な映像を得ることができます。