目次
■液体レンズとは
液体レンズは内部に導電性液体、導電性基板、絶縁性液体を有しています。
導電性液体は電圧を加えることでその形状が変化します。
液体レンズの導電性液体と絶縁性液体は接しており、導電性液体の形状変化に
合わせて、絶縁性液体の形状が変化します。この絶縁性液体がレンズの
役割を果たします。 原理的には1つのレンズで拡散レンズから集光レンズまで
カバーできます。
この原理を利用して、現場では、外部からの信号による焦点調整に
使われることがほとんどです。
オートフォーカスレンズとは異なり、前もって設定を調整(プリセット)する必要が
あります。
電圧値を変えることで複数の焦点位置を設定することができます。
■液体レンズのメリットとデメリット
(メリット)
・機械的可動部が無く、耐久性が高い。数億回サイクルとも言われています。
・可動部が無い為、高速で焦点調整が可能です。
・静音で低消費電力
・機械的可動部がないので小型化できる。
(デメリット)
・解像度が低く、メガピクセル程度と言われています。
電圧等により定型な変化しか加えられないため、ガラスを使った非球面レンズ
程の解像度を実現きません。
・機械的な基準が無い為、温度等の影響をうけ、焦点位置が若干ずれる場合が
あります。(周囲環境を含めた繰り返し精度)
■電動フォーカスレンズとは
液体レンズと同様にプリセット機能を持ったモーター駆動のレンズです。
(オートフォーカスレンズもモーター駆動ですが、これについては下記を
御参照ください。)
https://www.shodensha-inc.co.jp/solution/about-electric-focus-lens/
電動フォーカスレンズはUSBケーブルでPCと接続することで、
焦点調整、アイリス調整、ズーム調整をPCから制御できるレンズです。
オートフォーカスレンズのように焦点を合わせる為の「繰り返し動作」がなく、
最短でプリセット値に合わせることができます。
液体レンズ程の高速性はありませんが、オートフォーカスレンズと比較すると
格段に速くなります。
■電動フォーカスレンズのメリットとデメリット
(メリット)
・ステッピングモーターにより、緻密なフォーカス調整が可能です。
・周囲温度等の影響を受けず、高い繰り返し精度があります。
・高解像度(液体レンズに比べ高い解像度を実現できます。)
(松電舎の電動フォーカスレンズは 解像度が12MPixとなります。)
(デメリット)
・液体レンズ程の高速駆動はできません。
・耐久性は、繰り返し動作のあるオートフォーカスレンズより上ですが、
液体レンズ程の耐久性はありません。
・機械的可動部があるのでレンズ大きくなります。
f=16mm 1.1インチ対応 高解像度(1000万画素対応)レンズで比較。
左が通常レンズサイズ 右が電動フォーカレンズ
■液体レンズとの比較(まとめ)
■PLCやセンサでレンズのフォーカス調整をする場合
基本的には、液体レンズも電動フォーカスレンズもPCで制御する必要があります。
その為、PCとPLCをリンクする為のソフトを製作してPCに搭載する必要があります。
(勿論、それぞれのレンズにSDK等のツールはあります。)
それでもどうしてもプログラムという壁にぶつかります。
弊社の電動フォーカスレンズは専用コントローラがあります。
これを使えば、PC無しで、PLCやセンサから直接、プリセット値を読みだすことが
できます。
コントローラに焦点位置を10点メモリできます。
外部信号(ON/OFF信号)で任意の焦点位置を読みだすことができます。
センサとPLCを使った、簡単な動画は下記をご覧ください。