球体の観察のコツ
球体観察の場合、1.表面の状態(鏡面か拡散反射物か)と2.焦点深度の2点が問題となります。
今回の観察物は鏡面体の5mmの球体です。
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1.表面状態
対象物が球体の場合、全てがR面となります(正反射を起こす角度が必ず含まれます。)
対象物が「鏡面体」の場合、照明が正反射する部分は白とびをおこし、それ以外は影となります。
・通常に撮影した場合 | |
・HDR(ハイダイナミックレンジ)機能 | |
ノーマル撮影より、影と白とびの差が少なくなります。 | |
・HDR機能+偏光フィルター | |
白とびの部分は多少抑えられるが、それ以外の部分はHDR機能のみの方が若干見やすい。 | |
・対象物の周囲を反射板で囲む | |
また、USBカメラタイプを使用した場合は以下のようにカメラのガンマ機能を使用すると
ハイビジョンカメラのHDR機能のように、影と白飛びの差を少なく観察することができます。
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・通常に撮影した場合 | |
・カメラのガンマ補正をかけた場合 | |
・ガンマ補正+対象物の周囲を反射板で囲んだ場合 | |
間接光で照らすように配置 | |
どのような手法でも、鏡面体に近ければ、鮮明な撮影は難しくなります。
多少なりとも拡散反射物またはそれに近いものであれば、HDR機能等の使用で観察しやすくなります。
■焦点深度
さらに球面の場合、焦点深度の問題も発生します。
上記の球体に潤滑剤を付けて焦点がどこまで合うか確認します。
下の写真は、上記5mm球形のサンプルに潤滑剤を付けております。
焦点は球体の頂点に合わせております。
絞りを絞った方が焦点深度が深くなり、全体にボケた感じが少なくなっています。
絞りを絞った場合 | 絞りを開放した時 |