測定顕微鏡とマイクロスコープの違い
- マイクロスコープを使えば低価格で測定顕微鏡のお置き換えが可能に -
<目次>
1.測定顕微鏡とは
簡単な単眼顕微鏡を使ったものから、本格的な顕微鏡を使ったものまで
様々な形があります。
付属のステージの移動量で対象物の測長を行います。
ステージについているリニアスケールやマイクロメータの精度が測定精度に
なります。
但し、人の目で測定箇所の始点と終点を合わせるので人による誤差が発生します。
ステージの仕様により25mm程度から200mm程度の形状が測定できます。
価格は100万円~500万円程度
<測定顕微鏡>
2.測定顕微鏡の測定原理
接眼レンズにクロスラインの入ったものを使います。
実際にワッシャーの外径を測る場合を例にします。
(下記は測定のイメージです。実際は顕微鏡の接眼レンズ内のクロスラインに
裸眼で合わせます。)
(1)測定しい外径の始点にクロスラインを合わせます。
(2)今回のXYステージはマイクロメータで動かすものですのですので、
マイクロメータをゼロリセットします。
(3)クロスラインが測定の終点になるまでマイクロメータで
XYステージを動かします。
(4)この時のマイクロメータの数字がワッシャーの外径になります。
3.測定顕微鏡のメリットとデメリット
●メリット
1. 測定前の校正(調整)が不要です。
2. 顕微鏡の視野に入っていなくても、テーブルの移動量内であれば測定可能です。
3. テーブルに付属する計測機の精度に依存する為、精度の表記が可能です。
●デメリット
1. 測定に時間がかかる。
2. 水平、垂直の測定しかできない。(回転テーブルを併用すれば、斜めの測定も可能)
3. 2点間距離しか測れない(角度、面積、円の中心間距離の測定ができない。)
4.マイクロスコープへの置き換え
顕微鏡の代わりに測定の始点と終点を確認するツールとして考えれば
置き換えは可能です。
但し、接眼レンズ部分がないので、始点と終点を捕捉する為にクロスラインを
モニタに表示する機能は必要です。
5.測定マイクロスコープ(CT200シリーズ)
さらに、寸法測定に特化したマイクロスコープを紹介します。
マイクロスコープは同一画面内であれば、
測定顕微鏡の下記3つの欠点をカバーできます。
・測定に時間がかかる。→ クリックだけで測定可能に
・水平、垂直の測定しかできない。→ 任意の2点で測定可能
・2点間距離しか測れない。→ 角度、面積、円の中心間距離等の測定が可能
また、この寸法測定用マイクロスコープは、マイクロスコープの3つの欠点も
カバーしています。
(1)導入時に調整(校正)が必要
→ この寸法測定用マイクロスコープは工場出荷時に調整(校正)を行っています。
(2)倍率をかえると調整値(校正値)の切り替えが必要
→ レンズとカメラが通信を行っているので、倍率を切り替えても調整は不要。
(3)精度の保証ができない。
→ 校正証明書の発行が可能な専用ガラススケールをオプションでご用意。
また、工場調整時に使っているガラススケールの校正証明書は
HPよりダウンロード可能。
勿論、同一画面に入らない、大きな測定カ所は投影機と同じように
附属のステージを移動することで測定することができます。
6.測定顕微鏡とマイクロスコープの違いのまとめ
測定顕微鏡の代用は
●クロスラインを発生できるマイクロスコープ+ステージ
●測定マイクロスコープ
でも安価に実現できます。
測定マイクロスコープは無料でデモ機の貸出を行っております。
お気軽にお問い合わせください。