マイクロスコープの倍率と顕微鏡の倍率の違い
目次
マイクロスコープと顕微鏡の倍率は「倍率の考え方」が異なり、同じものではありません。
顕微鏡の倍率はメーカーが異なっても倍率が同じであれば、同じ視野になります。これを絶対倍率と言います。(厳密には接眼レンズの視野数によって視野は変わります)
しかし、マイクロスコープの場合は同じ倍率でもメーカーによって視野が異なります。これを相対倍率と言います。
■顕微鏡の倍率
顕微鏡の倍率は下記の式で計算します。
倍率の計算方法
光学倍率=(対物レンズの倍率)×(接眼レンズの倍率)となります。
顕微鏡の倍率=光学倍率となります。
(下写真の顕微鏡であれば、対物レンズの倍率 10倍 × 接眼レンズの倍率 10倍で光学倍率は100倍となります。)
顕微鏡の場合もカメラを取り付けた場合はモニタ倍率を含めて表現する場合もあります。
■マイクロスコープの倍率
解りやすく、対物レンズのついているマイクロスコープを例にとります。
まず、計算の方法です。
光学倍率は顕微鏡と同じです。
倍率の計算方法
光学倍率=(対物レンズの倍率)×(レンズ本体の倍率)となります。
(上記写真のマイクロスコープであれば、対物レンズの倍率 10倍 × レンズ本体の倍率 2倍で、光学倍率は「20倍」です。)
但し、ここにモニタ倍率が入り、
総合倍率=モニタ倍率×光学倍率となります。
撮像素子サイズが1/2インチでモニタが17インチとすると、モニタ倍率は54となります。
「マイクロスコープの倍率」を御参照ください。
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総合倍率=モニタ倍率 × 総合倍率=54 × 20= 1080倍となります。
つまり、モニタサイズや撮像素子サイズが変われば、倍率も変わってしまうのです。
(各メーカーのカタログをみると、必ず「○○インチモニタ相当」等の表記があります。)
<倍率の考え方>
計算は複雑ですが、考え方は非常にシンプルです。
下記写真のマイクロスコープはモニタ上で1mmが40mmで表示されています。
これは単純に40倍ということです。
まとめ
マイクロスコープと顕微鏡の倍率は「倍率の考え方」が異なり、同じものではありません。
顕微鏡の倍率は
光学倍率=(対物レンズの倍率)×(接眼レンズの倍率)となります。
マイクロスコープの倍率は
光学倍率=(対物レンズの倍率)×(レンズ本体の倍率)となります。
但し、ここにモニタ倍率が入り、
総合倍率=モニタ倍率×光学倍率となります。