ガラス管の表面検査は、微細なキズやほこりを見逃さないために、
最適な照明方法を選ぶことが重要です。
今回、さまざまな照明方法を比較し、どの条件が最も見やすいのか検証してみました。
検証条件
●対象物:直径10mmのガラス管
●照明方法:落射照明、透過照明
●背景色:黒色、白色
■落射照明の場合
通常のリング照明であれば、2カ所でハレーション(白飛び)が起きます。
4分割LEDリング照明を使い、長手方向の光だけで観察すると
ハレーションを抑えることが出来ます。
■背景
ガラス管ですので、背景の色も影響します。
(落射照明は2方向からの照射を維持)
白色の背景使用時
黒色の背景使用時
■透過照明の場合
ダイレクト透過照明
平行光透過照明
■結果
最もガラス管の表面のキズや埃が見やすかったのは
長手方向からの2方向落射照明を使用し、背景を黒色にした場合です。
この条件では、光がガラス表面を均一に照らし、キズや埃がくっきりと浮かび上がります。
次に良好な結果が得られたのは、透過照明です。(透過照明の種類で差は特になし)
透過照明はガラス管内部を通して光を当てるため、表面の不純物や異物が比較的見つかりやすくなります。
最も表面観察が難しかったのは、背景を白色にして落射照明を使用した場合です。
白色の背景は光を反射しやすく、ガラス管の表面と背景が同化してしまい
キズや埃の識別が困難になります。
ガラス管の品質管理や検査を行う際には、ぜひ適切な照明条件を選定し、
精度の高い検査を実現してください。