ホワイトバランスとは?産業用カメラでの調節方法
目次
1.ホワイトバランスとは?
実物とカメラの色味が極端に異なるときは、ホワイトバランス補正が必要です。
ホワイトバランス補正とは光源の色味(色温度)による色の違いを補正して、実際の色に近付ける機能です。
例えば映像が光源=太陽光ではオレンジや黄色っぽく、光源=蛍光灯では緑や青緑っぽく写る事が多いのですが、この状態を補正します。
民生のデジタルカメラでは自動補正や日光配下・蛍光灯配下補正等のすでにプリセットされた機構で簡単に補正できるようになっていますが、
産業用カメラではより厳密に、また様々な光源に対応できるような補正機構になっています。
2.色温度とは?
色温度とは、照明などの光源が発する光の色を表すための尺度で 単位はケルビン(K)です。
例えば白色のLEDには、さまざまな色度ランクの製品がラインナップされています。
同じ白でも「青っぽいもの」「黄色っぽいもの」「赤味がかったもの」と様々です。
3.産業用カメラでホワイトバランスを補正する方法
1) 白い紙などを画像全体に写るようにする。
2) 明るさ/コントラスト/ゲインをリセットした状態にして、明るさをレンズの絞りで
飽和しないように調節する。
明るさが飽和すると正しく補正できません。
できるだけ明るく、かつ明るさが飽和しないようにすることがベストですが、飽和して
いるかどうかわからない場合は少々暗めにすると良いでしょう。
3) カメラプロパティ等にある White Balance の One push ボタンをクリックする。
※ 蛍光灯下の場合は映像が明滅してうまく補正できないことがあります。
この場合は明滅が穏やかになるよう、一時的に Clock の値を下げてから補正して下さい。
4.産業用カメラでホワイトバランスを手動補正する方法
白い物を用意できない、暗い環境下でかつ非常に強いの光を撮影する等、通常の補正方法では意図した色にならない場合は手動で補正します。
1) カメラの設定を全てデフォルトに戻す。
2) 撮影する環境下でなるべく白っぽい物が多い景色を映す。
このとき、明るさをレンズの絞りで飽和しないように少々暗めに調節する。
3) カメラプロパティ等にある White Balance の One push ボタンをクリックする。
クリックして、色が大きく異なっていなければOKです。
全く色味が合わないときは、4)へ進んでください。
4) 撮影したい物を写し、カメラプロパティ等にある Red/Blue/Greenに関する値を
手動で調整して、実際の色味に近づける。
※ 蛍光灯下の場合は映像が明滅してうまく補正できないことがあります。
この場合は明滅が穏やかになるよう、一時的に Clock の値を下げてから補正して下さい。