ブリネル硬さ(ブリネル硬度)測定について
目次
1.ブリネル硬さとは
はじめに
金属材料の硬さ試験は金属材料の強さを評価でき、JIS(日本産業規格 旧:日本工業規格)にて、ロックウェル、ビッカース、ブリネル、ショアなどが定められています。
●ロックウェル硬さ
ダイヤモンド製の円錐状圧子を試験片に押し付け、圧痕の深さで硬さを算出する押し込み試験法。
試料に直径1mmの鋼球または円錐形のダイヤモンド製圧子で50kgf~150kgfの定められた試験力で押しつけ、丸い圧痕(くぼみ)をつけ、その圧痕の深さを自動計測して硬さ値を計算・表示する試験機を使います。
試料に直径1mmの鋼球または円錐形のダイヤモンド製圧子で50kgf~150kgfの定められた試験力で押しつけ、丸い圧痕(くぼみ)をつけ、その圧痕の深さを自動計測して硬さ値を計算・表示する試験機を使います。
試料に直径1mmの鋼球または円錐形のダイヤモンド製圧子で50kgf~150kgfの定められた試験力で押しつけ、丸い圧痕(くぼみ)をつけ、その圧痕の深さを自動計測して硬さ値を計算・表示する試験機を使います。
●ビッカース硬さ、マイクロビッカース硬さ
ダイヤモンド製の逆ピラミッド状(四角錐状)の圧子を試験片に押し付け、圧痕の表面積で硬さを算出する押し込み試験法。
試料に逆ピラミッド状のダイヤモンド製圧子で1gf~20kgfの定められた試験力で押しつけ、正方形の圧痕をつけ、できた圧痕を真上から顕微鏡で見て、対角線の長さを測定し、硬さ値を計算・表示する試験機を使います。
試料に逆ピラミッド状のダイヤモンド製圧子で1gf~20kgfの定められた試験力で押しつけ、正方形の圧痕をつけ、できた圧痕を真上から顕微鏡で見て、対角線の長さを測定し、硬さ値を計算・表示する試験機を使います。
被膜、表面硬化材、溶接などの断面の硬さ分布の測定に使われます。特に、押しつける試験力が小さい(1gf~2kgf程度)場合はマイクロビッカース硬さとなり、試料断面の硬さの分布をより精密に測定するのに使われます。
ビッカース硬さはHVで表します。
マイクロビッカース硬さはHMVで表します。
●ブリネル硬さ
超硬合金球製の球状圧子を試験片に押し付け、圧痕の表面積で硬さを算出する押し込
み試験法。詳細は後述します。
●ヌープ硬さ
ダイヤモンド製の細長い菱形状四角錐の圧子を試験片に押し付け、圧痕の投影面積で硬さを算出する押し込み試験法。
微小サンプルの硬さ試験で利用されます。
圧子による圧痕深さが小さいため、硬化層断面の硬さや、脆弱(もろい)材料、薄層材料の硬さ測定に使用されています。
ヌープ硬さはHKで表します。
●ショア硬さ、リーブ硬さ
錘(おもり)を試験片に落下させて、錘(おもり)が跳ね返った高さや速度で硬さを算出する動的試験法。
試料表面に圧子を衝突させて跳ね返った(反発した)高さから算出する場合はショア硬さとなります。
速度を測定し、反発速度÷衝突速度 から算出する場合はリーブ硬さとなります。
小型で持ち運びが容易のため、屋外で使用されることが多いです。
ただし、試料は重量物で表面が平面であることが条件です。
ショア硬さはHSで表します。
リーブ硬さはHLで表します。
各試験種類によって特徴がございますが、今回は、ブリネル硬さ試験に関して紹介いたします。
●ブリネル硬さとは
ブリネル硬さ(ブリネル硬度)とは金属測定物に超硬合金の球状圧子を一定荷重で押し込み、そのときにできる圧痕(くぼみ)の大きさで硬さを測定します。
試料の材質および硬さに準じた試験力と圧子の直径がJISで定められています。
くぼみの直径から表面積を求め、押し付けた荷重を表面積で割ったものがブリネル硬さで、HBWで表します。
ブリネル試験は、ブリネル硬さ試験機を使用し、タングステンカーバイドボールを試料に押し込み、くぼみ(庄痕)の直径を光学装置で測定します。
ブリネル硬さ試験機は試料表面上に直径5mmまたは10mmの超硬合金製球の圧子を、上から500kgf~3000kgf程度の定められた試験力で押しつけ、丸い圧痕(くぼみ)をつける試験機です。
できた圧痕を真上から見て、くぼみのエッジの円の直径を顕微鏡などで測り、計算式や換算表を使って硬さ値を求めます。ブリネル硬さの記号はHBWで表します。
試験方法、試験条件や算出方法などの詳細は 「JIS Z 2243-1、Z 2243-2 ブリネル硬さ試験」をご参照下さい。
ブリネル硬さ試験は上述した他の硬さ試験種類の中でも、押し込み力が大きく、圧痕の直径は最大5mm程度と大きいです。
一部分の局所的な硬さではなく、平均化した硬度を得ることができるため、鍛造品や鋳物など材料の平均的な硬さを評価する場合等に多く活用されています。
そのため、ブリネル硬さ試験は鋳物や非鉄金属等と広範囲に利用でき、またその信頼性も高く、鋳造品、鍛造品、熱処理品、固溶化熱処理品などの金属材料の硬さ試験に用いられることが多いです。
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また、ブリネル硬さ試験では比較的大きな圧痕を残すため、鋳物や鍛造物など、表面が粗く、不均質な粒子構造を持つ大型試料に適しています。
しかし、材料によってはくぼみの周囲が不明瞭になる場合があり、測定時に誤差が
生じる可能性もあります。また測定自体の検査時間もかかります。
下記ソフトウェアを使えば、高精度で個人差の少ないブリネル硬さ測定が早くできます。
2.効率の良い高精度なブリネル硬さ測定ソフトウェアのご紹介
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●JISブリネル硬さ試験規格準拠
- ・JIS Z 2243-1:2018
- ・硬さ値の算出及び表示はJIS規格に準拠
●自動計測
自動ブリネル硬さ計測は、設定された条件により画像処理技術を使い、高速、高精度の測定を行います。
測定結果は、原画像上に測定した領域を表示します。
これにより、確実な測定結果確認が出来ます。
●判定表示
測定中、リアルタイムにスペック判定表示されます
●データ管理
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・グラフ作図や成績書は自動作成が可能です。
3.まとめ
人的誤差が少なく、高精度に早くブリネル硬さ測定ができるソフトウェアのご紹介でした。
硬さの評価にはブリネル硬さ、ビッカース硬さ、ロックウェル硬さ、ショア硬さ、ヌープ硬さなどの方法があります。
各々の評価によって検査手順や評価方法は異なりますが、上記で得られたブリネル硬さから「硬さ変換表」を使えば各々の硬さに変換することもできます。