目次
収差とは、光学系において理想的な結像からのズレを言います。
大きく2つにわけると、色収差と単色収差に分かれます。
さらにここから細かく分かれます。
・色収差(軸上色収差、倍率色収差)
・単色収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、湾曲収差)
1. 色収差
色収差は、波長(色)によって屈折率が異なることが原因で発生します。
色ズレ、色滲みという症状が画面上に発生します。
(1)色収差の原因
理想的には1点で焦点が結ぶのですが、波長により屈折率が異なる為、焦点位置がずれて
しまいます。これが画面上の色ズレ、色滲みとして発生します。
(2)色収差の実際の映像
10円玉の表面1000倍で撮影した写真です。
上の写真は兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH350PC-2R(販売終了商品))で撮影したもの。
下の写真は高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH130CS-H1)で
撮影したものです。
●兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH350OC-2R)で撮影したもの | |
●高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH130CS-H1)で撮影したもの | |
上の写真(兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH350PC-2R)で撮影したもの)の1部を拡大すると色ズレをおこしていることがわかります。
2.単色収差
単色収差(湾曲収差以外)はレンズを通過るする光の入光角度の違いや
通過する位置の違い(レンズの内側、外側)で屈折率が異なることが原因で
発生します。
輪郭のボケや滲みという症状が画面上に発生します。
(1)単色収差の原理
理想的にはレンズのどこを通過しても、焦点位置は同一点になります。
実際には、レンズの中心と外を通る光の屈折率の違いで焦点位置がずれてしまいます。
これが輪郭のボケや滲みとして発生します。
(2)単色収差の実際の映像
シリコンウエハーの表面1000倍で撮影した写真です。
左の写真は兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH350PC-2R(販売終了商品))で撮影したもの。
右の写真は高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH130CS-H1)で撮影したものです。
超高倍率マイクロスコープ (SH350PC-2R)で撮影したもの |
超高倍率マイクロスコープ (USH130CS-H1)で撮影したもの |
左の写真は輪郭がぼけて膨らんでいます。
(3)湾曲収差
*湾曲収差はボケの発生はありません。
画面の周囲(端)で直線が湾曲する症状になります。湾曲の症状により、糸巻型と樽型に分かれます。
(湾曲収差については「ディストーションとは」を御参照ください。)
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