2024年09月09日

一般的なカメラハウジングと産業用カメラハウジングとの違い

目次

1.概要

2.用途別の比較

3.まとめ

 

 

一般的なカメラハウジングと産業用カメラハウジングには大きな価格の差があります。

では一体どういう違いがあるのかを簡単にまとめてみました。

 

カメラハウジングは、カメラを外部環境から保護するために使用されるケースやカバーを指します。

ハウジングには、カメラの性能や寿命を延ばすために不可欠な役割がありますが、その用途や必要な機能によって大きく異なります。

特に、一般的なカメラハウジングと産業用カメラハウジングには顕著な違いがあり、それぞれが異なる使用環境や目的に適しています。

以下では、これら二つのハウジングの違いを、さまざまな用途に分けて説明します。

違い

 

 

 

一般的なカメラハウジングの概要

一般的なカメラハウジングは、主に防犯カメラや家庭用カメラ、商業施設で使用されるカメラを保護するために使用されます。

一般的なカメラハウジングの主な役割は、屋外設置時の雨や風、ほこりなどの環境要因からカメラを守ることです。

これらのハウジングは比較的簡素な構造であり、機能も限られています。

 

産業用カメラハウジングの概要

産業用カメラは、通常の防犯カメラや商業カメラとは異なり、高度な性能や機能を持ち、長時間にわたって安定して稼働することが求められます。

そのため、産業用カメラハウジングは、高温、低温、湿気、化学物質、振動、衝撃など、極めて厳しい環境条件に対応できるように設計されています。

 

 

 

 

用途別の比較

1:屋外監視・防犯カメラ

屋外監視

一般的なカメラハウジング

商業施設や住宅で使用される屋外防犯カメラは、主に防水・防塵機能を備えたハウジングに収納されます。

これにより、雨や風、ほこりからカメラを守り、長期間にわたり安定した映像の提供が可能です。

多くの場合、ハウジングはシンプルで、保護機能以外に特別な機能はありません。

また、カメラ自体が防水・防塵対応であれば、ハウジングが不要な場合もあります。

 

産業用カメラハウジング

一方、産業用カメラハウジングは、より過酷な環境での監視用途に対応するため、より頑丈で高度な機能が求められます。

例えば、建設現場や工場の敷地などでは、カメラが強い衝撃や振動にさらされる可能性があるため、耐衝撃性や防振性が求められます。

また、過酷な気象条件(極端な高温や低温、暴風雨、雪など)に対応するため、ハウジングには加熱機能や冷却機能が備えられていることが一般的です。

加えて、塩害地域や化学工場などでは、腐食防止のための特殊なコーティングが施されていることもあります。

 

2:工場や生産ラインの監視

生産ライン監視

一般的なカメラハウジング

工場や生産ラインの監視カメラとして、一般的なカメラハウジングが使用されることは少なく、通常は産業用ハウジングが求められます。

もし使用される場合は、比較的クリーンで制御された環境に限られます。このような環境では、カメラが非常に厳しい条件にさらされることはなく、通常の防塵防水程度のハウジングで十分です。

 

産業用カメラハウジング

工場や生産ラインにおいては、カメラが高温、湿度、化学薬品、油分、粉塵などに曝される可能性が高いため、産業用カメラハウジングが必須です。

特に、精密な検査や自動化のために高解像度のカメラを使用する場合、カメラ自体がこれらの過酷な条件に耐えられるように、ハウジングには高度な防塵、防水、耐腐食、耐油、耐熱などの性能が求められます。

また、連続稼働が必要な場合には、冷却機能や適切な放熱設計も不可欠です。

 

3:交通インフラの監視(道路、トンネル、鉄道など)

交通インフラ監視

一般的なカメラハウジング

一般的なカメラハウジングは、交通インフラの監視用途にはあまり適していません。

道路やトンネル、鉄道などの監視では、カメラが常に厳しい環境条件にさらされ、ほこりや振動、雨、雪、さらには極端な温度変化に対応する必要があります。

したがって、一般的なハウジングではこれらの条件に耐えることが難しいため、産業用ハウジングが推奨されます。

 

産業用カメラハウジング

交通インフラの監視では、産業用カメラハウジングが必須となります。

特に、トンネルや鉄道沿線では、湿気や粉塵、振動に加え、強い風圧や排気ガスなど、特殊な環境要因に対する対策が求められます。

このため、ハウジングは堅牢で、防錆・防腐食性能を持ち、さらに内部のカメラが適切に動作するための温度調整機能も備わっている必要があります。

また、耐久性が重要視されるため、メンテナンスが少なくて済むように設計されています。

 

4:医療分野・クリーンルームでの使用

医療用監視

一般的なカメラハウジング

医療分野やクリーンルームでの使用において、一般的なカメラハウジングはあまり使用されません。

これらの環境では、極めて高い清潔さが求められ、通常のハウジングでは十分な衛生管理が難しいからです。

また、消毒液や清掃プロセスに耐えられる耐薬品性が求められるため、産業用の特別なハウジングが必要です。

 

産業用カメラハウジング

クリーンルームや医療分野で使用される産業用カメラハウジングは、衛生管理や薬品耐性が特に重視されます。

例えば、医療機関で使用されるハウジングは、消毒薬やアルコールに対して耐性があり、簡単に清掃できるように設計されています。

また、クリーンルームで使用される場合は、微細な粒子の発生を防ぐために、静電気防止や密閉性能が強化されています。

 

 

 

 

まとめ

一般的なカメラハウジングと産業用カメラハウジングは、その使用目的や環境条件によって大きく異なります。

一般的なハウジングは、防水・防塵といった基本的な保護機能を提供するだけで、比較的軽量で簡易な設計となっているため、屋外の防犯カメラや商業施設での使用に適しています。

一方、産業用カメラハウジングは、より過酷な環境条件に対応するため、耐久性、耐熱性、耐腐食性、冷却機能など、多様な機能を備えています。

これにより、工場、生産ライン、交通インフラ、クリーンルームなど、特別な環境でのカメラの長期間安定した稼働が可能となります。

 

それぞれの用途に応じて適切なハウジングを選定することは、カメラの性能を最大限に活かし、保護するために非常に重要です。

特に、過酷な条件下で使用する場合は、産業用ハウジングの選定が不可欠であり、初期コスト以上に長期的な運用メリットが得られることが期待されます。

 

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