エンジンシリンダー内壁検査 または 缶内壁検査に活用できるカメラシステム
エンジンシリンダー内壁検査 または 缶内壁検査に活用できるカメラシステムについてまとめてみました。実際に各々での撮影画像やメリット、デメリットを交えてご紹介します。
目次
2.90°側視ボアスコープ(φ4mm)で検査する方法(ボアの回転が必要)
3.90°側視(先端交換式)くるっとボアスコープ(φ8mm)で検査する方法(ボアの回転が必要)
4.穴内壁観察用マイクロスコープで内壁全周を一発検査する方法
5.高倍率レンズ先端に90°側視ミラーを取り付けて検査する方法(レンズの回転が必要)
6.[番外編]Sマウントカメラと魚眼レンズで内壁全周を一発検査する方法
●テスト条件
<サンプル>
エンジンシリンダーは入手しづらいので、今回はアルミ缶でテストしました。
アルミ缶サイズはφ100mm×H130mm
内壁に1~5までの数字を記入
数か所キズをつけました。
<カメラ>
下記方法1~5は、弊社フルハイビジョンカメラを使用しました。 ⇒使用カメラはコチラ
カメラを統一することで、純粋にレンズの比較ができます。
*6は番外編ということでSマウントUVCカメラを使用
●検査方法及び結果
1. ワイドボアスコープで内壁全周を一発検査する方法
①ワイドボアスコープ φ4mm ボアスコープ 0°
②平型ドーム式照明 DC-30D-127W-CH1
③ボアスコープ用照明 LED-3WDB
左:撮影風景 右:挿入部拡大
ボアスコープは缶入口から少し浮かして観察できる 距離があり、奥底に近い傷は視認性落ちる |
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全体が一画面に入るようボアスコープを入口から少し離して撮影。 |
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拡大するよう ボアスコープを入口から少し挿入して撮影。 |
内壁全周が一発で確認できるので操作性は★4
キズの視認性レベルは★3
2. 90°側視ボアスコープ(φ4mm)で検査する方法(ボアの回転が必要)
撮影風景 ボアスコープは缶内に挿入 全周確認にはボアを回転させる(カメラごと回転が必要) また拡大時は天地が一画面で観察できず、上下移動も必要 |
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高さ全体が一画面に入るようボアスコープを内壁から少し離して撮影 |
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拡大するよう ボアスコープを内壁に近接させて撮影 |
内壁全周ならボアの回転が必要、カメラごと回転するので操作性は★2
キズの視認性レベルは★4
3. 90°側視(先端交換式)くるっとボアスコープ(φ8mm)で検査する方法(ボアの回転が必要)
撮影風景 ボアスコープは缶内に挿入 全周確認にはボアを回転させる必要ありだがくるっとボアなので先端チューブだ けを回転できる (カメラは回転不要) |
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ボアスコープを内壁から離して撮影したが天地は1画面では無理なので多少上下移動が必要 |
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拡大するよう ボアスコープを内壁に近接させて撮影。 |
内壁全周ならくるっとボアでカメラは回転不要、
だが上下移動は必要なので操作性は★3
キズの視認性レベルは★4
4. 穴内壁観察用マイクロスコープで内壁全周を一発検査する方法
①穴内壁観察用マイクロスコープ(φ20mm~120mm用) PH200BA-D30
左:撮影風景 右:製品写真 |
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レンズは入口近辺(缶内に挿入不要)で缶内全周一発確認できる 視認性もそこそこ良い 缶内にレンズ部を入れる必要がないのでサンプルを傷つける可能性が低い |
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全体が一画面に入るようレンズを入口から少し離して撮影。 |
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拡大するようレンズを入口端面ギリギリで撮影。 あまり拡大には向かない。 |
内壁全周が一発で確認できるので操作性は★4
キズの視認性レベルは★4
5. 高倍率レンズ先端に90°側視ミラーを取り付けて検査する方法(レンズの回転が必要)
②特注 90°側視ミラーをレンズ先端に取付け
③特注 90°側視ミラー取付用LED照明
左:撮影風景 右:挿入部拡大
レンズは缶内に完全挿入して観察 |
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最小倍率 約40倍 |
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最大倍率 約200倍 |
拡大観察がメインで、一回に見える範囲は狭い、探すのが難しく操作性は★1
キズの視認性レベルは★5
ただし、キズ発見用途では現実的ではなく、あくまでも拡大観察用途だと思います。
6. [番外編]Sマウントカメラと魚眼レンズで内壁全周を一発検査する方法
①UVCカメラ
②魚眼レンズ
③平型ドーム式照明 DC-30D-127W-CH1
レンズ交換のできるチューブカメラに魚眼レンズを付けます。 これにより直視をしながら側面観察も可能となります。 |
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*レンズ径が28mmあるので、ボアスコープなどと異なり、細径の対象物は観察できません。 また、深穴にも向きません。
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缶入口から少し離して撮影 |
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缶入口ギリギリで撮影 |
内壁全周が一発で確認できるので操作性は★4
キズの視認性レベルは★3
ただし、照明の当て方で見え方が大きくかわり、明るい部分と暗い部分が極端に出ます。
●まとめ
内壁観察の際は、ご予算や用途に適したカメラシステムを選択する必要があります。
また操作性も加味し検討することをおすすめします。
用途から選ぶ おすすめカメラシステム
<傷の発見用途で、缶内全周を一発確認したいなら>
4. 穴内壁観察用マイクロスコープで内壁全周を一発検査する方法
①穴内壁観察用マイクロスコープ(φ20mm~120mm用) PH200BA-D30 が最良
<傷の拡大観察がしたいなら>
5. 高倍率レンズ先端に90°側視ミラーを取り付けて検査する方法(レンズの回転が必要) が最良
<90°内壁方向を絶対見落としなく観察したいなら>
3. 90°側視(先端交換式)くるっとボアスコープ(φ8mm)で検査する方法(ボアの回転が必要)
<穴底、内壁を1台で観察したいなら>
1. ワイドアングルボアスコープで内壁全周を一発検査する方法 が最良
<価格重視なら>
6. [番外編]Sマウントカメラと魚眼レンズで内壁全周を一発検査する方法 が最良