2024年10月10日

マイクロスコープの倍率の考え方とは?

■マイクロスコープの倍率

マイクロスコープの総合倍率の考えた方は非常に簡単です。
1mmの対象物がモニタ上で10mmになっていれば「10倍」です。

計算で出すことも可能です。(下記参照)

 

■計算方法

総合倍率を計算で算出する場合は、光学倍率(レンズの目盛)以外にもカメラの撮像素子サイズ、モニタのインチ数も関わるので少し複雑です。

 

総合倍率=モニタ倍率×光学倍率(レンズの目盛)

 

モニタ倍率は下記の式で求めます。

 

モニタ倍率=(モニタのインチ数×25.4mm)/撮像素子サイズ

 

*撮像素子サイズは 6mm(1/3カメラ)、7mm(1/2.5カメラ)、8mm(1/2カメラ)です。 (詳細は「カメラのイメージサイズ」を御参照ください。)

 

1/2インチカメラを右写真のレンズ
高解像度高倍率ズームレンズ SDS-FZR)に
取付けて17インチモニタで観察した場合、

モニタ倍率=(17×25.4)/8 = 54

総合倍率=54×4=216倍

となります。

高解像度高倍率ズームレンズ SDS-FZR
   
ここに補助レンズ、鏡筒、リアコンバータ、
レンズ等が加わる場合、その倍率を
さらに掛け合わせます。

1/2インチカメラを右写真の0.5倍の鏡筒が
ついているレンズ(ズームレンズ SDS-M)に
取付けて17インチモニタで観察した場合
ならば、

モニタ倍率=(17×25.4)/8 = 54

総合倍率=54×4×0.5(鏡筒倍率)=108倍

となります。

ズームレンズ SDS-M
   

 

■撮影画像に客観的条件を提示する場合

マイクロスコープの倍率は相対値の為、

レポート等にする場合、下記2点の方法が良く使われます。

 

(1)撮影画像内にスケールを表示させる

弊社計測ソフトMF Shipではスケール表示ができます。
マイクロスコープの倍率はパラメータが多く、
レポート等に条件を記す場合、複雑になります。
そこで倍率ではなく、右写真のように
校正値を残して保存します。
そうすれば、映像の大体の視野が判断できます。

計測ソフトMF Ship

 

(2)観察視野を表記する

倍率は相対値でモニタサイズ等で変わってしまいますが、

観察視野はモニタ等に関係なく、一定です。

松電舎カタログにも必ず倍率と併記させていただいています。

 

松電舎の中倍率USBマイクロスコープ TG500CS の場合、下記仕様となります。

倍率は17インチモニタ換算ですが、観察視野(視野範囲)は変わりません。

倍率

 

 

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